初節句 お祝い

ひな祭りにまつわる風習5

私は、いわゆる「下戸」でアルコールが全くダメな人なので、祭りや行事を問わず、お酒が付き物の席は、できるだけ逃げ回るようにしています。

ですが、ひな祭りの甘酒は飲んでいた記憶があります。

正月のおとそを飲めなかった私が、どうして甘酒は飲めたのだろう?と不思議に思うのですが、ここでその謎が解けました。

では、その甘酒についてのお話をご披露していきたいと思います。

甘酒とは、お粥や御飯に米麹を混ぜ、丸一日をかけ55度前後で保温し、デンプンから糖分を引き出したもので、できた甘酒はアルコールが1%未満と低く、子供でも安心して飲めるものなのです。

また、一晩でできるので一夜酒(ひとよざけ)とも言われ、昔から取り入れる方が多かったのだそうです。
だからお酒がダメな私でも飲めたんですね。でも、これを「白酒」と呼ぶこともありますよね。

甘酒と「白酒」は同じものなのでしょうか?調べてまいりましょう。

白酒とは、蒸したもち米にみりん、米麹と焼酎などを混ぜ合わせて、1ヶ月程度熟成させた後に、それをすりつぶして作られたもので、
アルコールは10%前後で甘みがあり、酒税法ではリキュールにあたります。
ということは、いくら甘い飲み物だとしても、法律上はお酒となり子供は飲めないことになります。

ですから当然、酒税法の関係で、白酒を家庭で作ることは認められていないのです。

そんな訳で、甘酒と白酒が全く別物であると理解できました。

次に白酒と呼ばれた根拠ですが、昔々、三世紀の西晋の時代、桃の花が流れる川の水を飲んだ人が三百歳の長寿を得たという説と、
桃が百歳を表す「百歳(ももとせ)」に通じていた事から、病を消し、健康を維持できるという説があり、平安の上流貴族が3月3日に曲水の宴を催した際、桃の花を酒に浮かした桃花酒を飲む風習が生まれ、その後、江戸時代中期に白酒が流行るまで、ひな祭りには桃花酒がつきものだったそうです。

そして江戸中期に、大蛇の子を身篭ってしまった女性が、ひな祭りの日に酒を飲んだところ、大蛇の子を流産させることができたとの言い伝えから、悪い子を身篭らないように飲まれ始められたのが、白酒と呼ばれる元になったということです。

この事から、桃花酒と白酒は趣は違えど同じお酒で、甘酒の別名でも何でもないとわかりますね。

桃の花の話題が出てきましたので、半ば強引ではありますが、飾りに使われる桃の木のお話を少し。

中国で、旧暦の上巳の頃に咲く桃には、子孫の繁栄をもたらし邪気を祓う力がある木で、その実は不老長寿の薬だとされる言い伝えがあります。また日本では、魔除けとして桃の木が使われ、桃の葉は汗疹などに効き目があると言われ、桃の湯として重宝されていたといわれています。

その他にも、「桃の枝を家に置いていた家は災難を逃れられた」「桃花を髪飾りにすると病気にならない」など、桃には数々の逸話が残されているほどです。

桃が咲く時期だから単純に飾りとして使われたのではなく、深い意味があったのですね。

「桃の節句」という言葉に重厚さを加えるお話だと感心させられます。

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